ほとんどのITチームはすでにVPNとリモートコラボレーション用の会議ツールを導入しているため、従業員がサポートを必要とするときにそれらを活用しようと考えるのは自然なことです。在宅勤務中や外出先で働く従業員が増えるにつれて、そうしたリクエストの多くは、オフィスのネットワーク外にあるデバイスや営業時間外、あるいは簡単には操作についていけないユーザーの前から寄せられるようになります。
こうしたツールでも技術者が接続することはできますが、実際のトラブルシューティングが始まると、管理者プロンプト、再起動、前に人がいないデバイス、そして監査用の記録が残らないリモートセッションなどで、課題が表面化します。こうしたギャップがあるたびにチケット対応に時間がかかり、チーム全体で一貫したサポートを繰り返し行うことが難しくなります。
このガイドでは、VPN、画面共有、専用のリモートサポートソフトウェアを比較し、それぞれが適している場面を説明するとともに、ITチーム向けに構築されたリモートサポートを選ぶ際のポイントを紹介します。
結論から言うと、ITチームにより高いコントロール性をもたらすのはリモートサポートソフトウェアです
専用のリモートサポートソフトウェアは、ITチームに安全なデバイスレベルのアクセスと、トラブルシューティング向けに設計された技術者向けのワークフローを提供します。技術者は、無人コンピュータやサーバーを含むエンドユーザーのデバイスに接続し、問題を診断し、制御を引き継ぎ、再起動して再接続し、セッションを記録し、誰が何にアクセスできるかを管理できます。
VPNはユーザーをプライベートネットワークに接続しますが、技術者にはサポートのワークフローがありません。画面共有ツールは、会議やコラボレーション向けに作られています。簡単な操作案内には役立ち、プレゼンターが操作を引き継げるものもありますが、セッションを開始して承認するためにユーザーがその場にいる必要があります。
3つを比較すると次のとおりです。
ツール | 主な用途 | 最適な用途 | ITサポートの制限 |
VPN | ネットワークアクセス | ユーザーを社内アプリ、サーバー、またはリソースに接続 | 技術者向けの完全なサポートワークフローは提供しません |
画面共有 | ビジュアルコラボレーション | 会議、デモ、ユーザーに簡単な作業を案内する場面 | 制御、ログ記録、管理者サポート、サポート向け機能が限定的 |
リモートサポートソフトウェア | セキュアなリモートトラブルシューティングとデバイスサポート | ヘルプデスクサポート、リモートトラブルシューティング、無人アクセス、ITワークフロー | 専用ツールが必要ですが、ITチーム向けに設計された専用のコントロールを利用できます |
VPNの本来の用途
VPNは、ユーザーのデバイスとプライベートネットワークの間に暗号化されたトンネルを作成し、ユーザーが社内アプリケーション、ファイル共有、サーバーにアクセスできるようにします。
VPNではITサポートに不十分な理由
ヘルプデスクやエンドポイントのトラブルシューティングでは、VPNにはいくつかの制限があります。
1.VPNだけでは、技術者はデバイスにアクセスできません
VPNはユーザーを社内リソースに接続しますが、技術者がデバイスの画面を確認したり、デバイスを操作したりすることはできません。問題を診断するには、IT部門は依然として別のツールを必要とします。また、Windowsデスクトップで標準のRDPセッションを使用すると、技術者の接続中はローカルユーザーの画面がロックされるため、ユーザーと一緒にトラブルシューティングを進めにくくなります。
2. VPNの設定により、サポート開始前の手間が増えることがあります
VPNを使えるようにすること自体が、1件のサポート対応になってしまうことがあります。技術者が本来の問題に対応し始める前に、クライアントの設定、認証の問題、ネットワーク制限、接続切れを解決しなければなりません。
3. 広範なネットワークアクセスは追加のリスクを生む可能性があります
VPNではネットワークセグメント全体へのアクセス許可が付与されることがよくありますが、サポートセッションでは通常、限られた時間だけ1台のデバイスへのアクセスが必要です。専用のリモートサポートツールなら、アクセス範囲をより正確に限定でき、どの技術者がどのデバイスにいつアクセスできるかを管理できます。
4. VPNにはサポート向けのセッション記録が不足している
ITチームでは、社内レビューや監査のために、セッション録画、監査ログ、どの技術者がどのデバイスにアクセスしたかの記録が必要になることがよくあります。VPNログでは、誰がいつ接続したかといった接続メタデータは確認できますが、サポートセッション中に何が行われたかまでは記録されません。
画面共有ツールが実現すること
Microsoft Teams、Slack、Zoom などのコラボレーションプラットフォームには、会議、デモ、同僚とドキュメントを見ながら作業するための画面共有機能があります。Teams と Zoom では、発表者が共有中の画面のリモートコントロールを許可または承認することもできます。技術者がユーザーを案内しながら対応できる簡単な問題であれば、それで十分な場合もあります。ただし、管理者レベルの変更、再起動、または誰も前にいないデバイスへのアクセスが必要な問題になると、対応は難しくなります。
画面共有がITサポートには不十分な理由
画面共有はコラボレーションですでに効果的に機能しているため、ITサポートにも対応できると思いがちです。ITチームがサポートに会議ツールを使うと、いくつかの問題が生じます。
1. 画面共有はエンドユーザーに依存することがよくあります
画面共有を使うと、問題の診断や、修正方法をユーザーに案内することがしやすくなります。ただしその場合でも、ユーザーがその場にいて、会議に参加または開始し、正しい画面を共有し、技術者の指示に従う必要があります。そのため、簡単な修正でさえ時間がかかり、無人サポートにはまったく対応できません。
2. 会議ツールでは技術者向けの操作機能が限られている
TeamsやZoomでは、発表者がリモートコントロールを許可または承認できるため、技術者は共有画面上でマウスを動かしたり入力したりできます。そのコントロールは会議と画面共有の間だけ有効で、ユーザーは毎回承認する必要があります。また、会議ツールは、昇格された管理者プロンプトへの対応や、ユーザーを中断させずにバックグラウンドでシステムツールを実行することなど、サポート作業向けには設計されていません。
3. 再起動でワークフローが中断されることがあります
トラブルシューティングでは、特にアップデート後やシステム変更後に再起動が必要になることがよくあります。ほとんどの会議ベースの画面共有では、再起動するとユーザーは通話から切断されるため、作業を再開するには、再度参加して画面を共有し、もう一度操作の承認を行う必要があります。
専用のリモートサポートツールの多くは再起動後に自動で再接続するため、技術者は中断したところから作業を再開できます。
4. 監査証跡はITのニーズに対して十分でないことがよくあります
VPNと同様に、会議ツールには通常、ITチームが必要とする文書化機能がありません。サポート記録には、誰がそのデバイスをサポートしたのか、いつセッションが行われたのか、どのデバイスにアクセスしたのか、そして何を行ったのかが示されている必要があります。会議ツールでは録画やチャット記録を保存できますが、デバイスや技術者をまたいだサポート活動を追跡するようには作られていません。
専用のリモートサポートソフトウェアがITチームにもたらすもの
専用設計のリモートサポートソフトウェアなら、こうしたギャップを一つひとつ解消できます。ITチームにとって特に重要な機能は次のとおりです。
1. セキュアな有人アクセスと無人アクセス
有人アクセスでは、エンドユーザーがその場にいてアクセス許可を付与するため、承認なしにそのデバイスへ接続されることはありません。無人アクセスでは、技術者は誰もいないときに承認済みデバイスへアクセスできるため、営業時間外のメンテナンスや、サーバーやキオスクのようなデバイスに適しています。
2. デバイス単位の可視性と制御
技術者は問題を確認し、デバイスを操作して直接修正できるため、各手順をユーザーに口頭で案内するやり取りが不要になります。マルチモニター対応とキーボード・マウスのフルコントロールにより、複雑な構成でも実用的に使えます。
3. セッションに組み込まれたサポートツール
専用ツールなら、一般的なサポート作業をセッション内で完結できます。たとえば、ファイル転送、チャット、再起動して再接続、マルチモニター対応、セッション録画、システムレベルの作業向けバックグラウンドツール、さらに難しい問題の際に別の技術者をセッションに参加させるオプションがあります。
4. 詳細なアクセス許可とアクセス制御
ITチームは、どの技術者がどのデバイスに、いつ、どのような条件でアクセスできるかを制御する必要があります。リモートサポートでは、ロールベースのアクセス許可、デバイスのグループ化、アクセスポリシーに加え、多要素認証やシングルサインオンなどのアカウント保護によって、これに対応します。
5. セッションログと監査対応
サポートログは、不審なアクティビティを特定し、監査対応の体制を維持するために重要です。リモートサポートにはログ機能が含まれており、ITチームはアクティビティの確認、作業の記録、説明責任の維持、ITコンプライアンス対応を行えます。
6. ヘルプデスクとITSMワークフローの統合
リモートサポートは通常、チケットワークフローの1つのステップです。ヘルプデスクやITSMツールとの統合により、技術者はチケットからセッションを開始し、セッションのアクティビティをインシデントに関連付けることができるため、手動でのドキュメント作成の手間を減らせます。
Splashtop Remote SupportがITチームのその場しのぎのサポートからの脱却にどう役立つか
Splashtop Remote Support は、セキュアリモートアクセスにSplashtopが採用しているのと同じセキュリティ基盤を備え、拠点やデバイスをまたいで従業員をサポートするITチームやヘルプデスク向けに設計されています。VPNや画面共有では埋めきれないギャップに、どのように対応するかをご紹介します。
1. 管理対象デバイスと非管理対象デバイスをサポート
技術者は、ユーザーの在席・不在にかかわらず、管理対象のWindows、Mac、Linuxコンピュータをリモートコントロールできます。エージェントが事前にインストールされていないデバイスでは、ユーザーがSplashtop SOSアプリを実行してセッションコードを共有し、有人サポートはiOSおよびAndroidデバイスにも対応します。Splashtop Remote Support Enterpriseでは、Androidデバイス向けの無人アクセスが追加されます。
2. 管理者プロンプト、再起動、エスカレーションを1つのセッションで対応
セッションには、リモートコントロール、ファイル転送、チャット、セッション中の音声通話、マルチモニター対応、セッション録画が含まれます。技術者は管理者権限に昇格して、標準的なWindowsユーザーセッションでUACプロンプトに対応したり、ユーザーに再参加を求めることなく再起動して再接続したり、Task Manager、Registry Editor、リモートコマンドなどのバックグラウンドアクションを使って、ユーザーの作業を中断させずに対応できます。問題の確認に別の担当者の視点が必要な場合は、複数ライセンスのサブスクリプションで最大3人の技術者が同じセッションに参加できます。
3. 誰が何にアクセスできるかを管理
セッションはエンドツーエンド暗号化で保護され、監査用にログが記録されます。また、アカウントは2段階認証で保護されます。管理者は、Web管理コンソールからユーザーロール、アクセス、コンピュータのグループ分けを管理できます。大規模なチーム向けに、Splashtop Remote Support Enterprise では、シングルサインオン、詳細なアクセス制御、IPホワイトリスト、SIEMログ記録、クラウドセッション録画が追加されます。
4. サポートをチケットとエンドポイント管理に連携
Splashtop Remote Supportは、Freshservice、Freshdesk、Zendesk、Spiceworks、Jira、Microsoft TeamsなどのPSAチケット管理ツールやITSMツールと統合できるため、サポート対応を開始のきっかけとなったリクエストにひも付けたまま管理できます。場当たり的な対応から継続的な保守運用へ移行したいチームは、Splashtop AEMを追加することで、同じコンソールからリアルタイムのパッチ適用、監視、修復を行えます。
リモートサポートソフトウェアを選ぶ際のポイント
リモートサポートを評価する際は、次の機能によって上記のギャップをカバーできます。
アクセシビリティを確保するための有人アクセスと無人アクセス。
ユーザーが日常的に利用しているオペレーティングシステムやデバイスタイプに対応していること。
アカウントの安全性を維持するための強力な認証オプション。
誰が何にアクセスできるかを管理するための、きめ細かなユーザーおよび技術者のアクセス許可。
監査と説明責任のためのセッションログ記録とレポート。
ファイル転送とクリップボードに対応。
リモートで再起動して再接続。
マルチモニター対応。
より複雑な問題に対応するための技術者同士の連携とエスカレーション。
サポートワークフローを改善するためのITSMまたはヘルプデスク統合。
管理対象デバイスと非管理対象デバイスに簡単に設定できます。
社内ITチームまたはMSPs向けのスケーラブルなライセンス。
業務に合わせて設計されたサポートワークフローをITチームに導入しましょう
VPNは従業員を社内リソースにつなぎ、画面共有は会議や簡単な操作案内をシンプルにします。しかし、どちらもITチームがデバイスに一貫してアクセスし、管理者プロンプトや再起動に対応し、何が行われたかを記録するための方法は提供しません。その業務のために作られたリモートITサポートソフトウェアなら、その場限りの修正を、すべての技術者が繰り返し使えるワークフローに変えられます。
専用ツールを使えば、技術者はリモートデバイスに直接アクセスし、1回のセッションでより多くの問題を解決でき、レビューや監査のためにすべての接続記録を残せます。
Splashtop Remote Supportは、有人サポートと無人アクセス、技術者向けツール、セッションログを1つのワークフローにまとめ、チームが従業員の働く場所を問わずサポートできるようにします。
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